シエスタを貪る

戯言垂れ流し放題

昔、父のパソコンを勝手に触った時の話

今やネットも普及して、誰もがインターネットに繋がるアイテムを一人一個どころか数個は持っていてもおかしくない時代。
誰しもその端末の中には秘密を抱えているのではないだろうか(何この出だし)
いつの時代でも迷惑メールや変なリンク何かがあるわけだけど、これは多感な時期の中学生な私の実体験である…

 

あれは私が中学生の頃だった。その頃私が持っていた携帯電話は主に電話とメール用で、インターネットに繋げばそれはそれはページを読み込むたび、画像を読み込むたびにお金がかかる代物で、何か調べ物があるとすれば図書館へ行くか、父が仕事で使っていたパソコンを使わせてもらうのが普通だった。

パソコンに初めて触れたのは小学校3年生の時。当時の担任の先生がパソコンが好きで、私のクラスには生徒がパソコンを触れるようにと先生がデスクトップパソコンを置いてくれていた。当時はゲームだとか、そんな事にばかりパソコンを使っていたが、そのうち授業にもパソコンの授業が入って来たりとちょっとずつパソコンに触れる機会は多くなっていた。

そんなわけで中学生になる頃にはパソコンで何か出来るのは家族で私くらいになり(父は仕事のソフトくらいしか使っていなかった)、近所でも『サメコちゃんはパソコンが出来るから調べてもらったら良いじゃない〜』なんて言われて悪い気はしなかった。

そんなまさに『サメコちゃんが調べてくれたら助かる』的な感じで、近所の仲良し家族で温泉旅行に行きたいからどこか良いところないかねぇ?と言われ、嬉々として家に誰もいない時にパソコンの電源をつけたのだった。

パソコンをつけて、お馴染みのWindowsの起動音を聞き、砂時計が表示される画面を見つめながらジジジとハードディスクが動く音に耳を傾け…普段だったら準備万端なパソコンでインターネットエクスプローラーを開き、目的のものを調べ、必要なものを印刷し、余計な事をせずにシャットダウンするのは通常の流れだった。

だがこの日は違った。この日、私は、好奇心の赴くままに開いてしまったのだ。

 

父のメールボックスを。

 

メールボックス。今思えばそんなプライバシーを侵害するような事はやめなさいと言いたい。
まぁ、実際はまっっっっったくメールボックスとしての機能を果たして無かったわけだが。プロバイダーから当てがわれたメールアドレスをそのまま使っているようで、【フルネーム@プロバイダ名.com】的なメールアドレスには物凄い量の迷惑メールが舞い込んでいた。

私の携帯でのメールは電話番号だけのショートメールだったので、そんな風に迷惑メールが来る事は知らず。物凄く過激な件名に『これは父がどこかにアクセスしたから送られてくるようになったのか?』と怪訝に思った。迷惑メールは全て未読だったようで(そりゃな)、それなのに私は思わず一通開いてしまったのだ。多感なお年頃とは恐ろしい。

すると中はもっと過激なアダルトな写真や文章が並んでいて、慌てて閉じた。見なかった事にしよう。私は何も見なかった。メールボックスなんて開いていない(既読にしちゃってるんだけどね)

 

そう言い聞かせて、メールボックスを横目に気持ちを切り替えて再びインターネットを開いた。

 

ピンク!!!!キラキラ!!!ピーーーーーーー!!!!!

 

そこにはドーンと大きいな画面にモザイクいっぱい掛かったお色気ムンムンな大人のお姉さんの写真!!ザ!!ピンクオブピンク!!!!!

 

再び慌ててインターネットを閉じた。ブラウザを閉じたのだ。今のは幻覚か?変なメールのせいで私の頭もおかしくなったのか?
そう思いつつ、確認してするため恐る恐る開いた。

 

!!!!?!?!?!?!?!ざqwせxdctrfvytぐbyhぬj!!!!!(←あせふじこって打ちたかったのに上手くいかなかった簡易キーボード)

 

やっぱりお姉さんがいた…

 

私は心臓バクバクで冷や汗をかきながらどうする事も出来なくて、全てのウィンドウを閉じて2階の自分のベッドへ潜り込んだ。潜り込んで泣いた。外から父の帰宅を知らせる車の音が聞こえた。目を瞑った。

『私か?私のせい…?どうしよう…お父さんが仕事する時にあんなページ開かれたら…どうしよう…でもお父さんじゃ直せないよね…どうしよう…!!!!』

それはそれは家庭崩壊の危機なのではないのだろうかと、中学生の私は思ったのだ。
怖い。でも謝るに謝れない内容的に。

そのまま私は…、現実逃避して泣きながら寝た…

 

起きてからはいつも通りの父だった。その後何か聞かれるわけでもなく、何事も変わらないままの日常が過ぎた。でも、あれだけパソコンをしょっちゅう触っていた私は、めっきりパソコンに近づかなくなった。

その後、父がどう対処したのかは知らない。後に母に頼まれてどうしてもパソコンを使わなくてはいけなくて、恐る恐るつけたら普通のサーチエンジンの画面に戻っていた。

今思えば、ホームページの設定を戻せばなんて事なかったんだけど、当時の私はメールを開いて何か悪いものがパソコンに入ってしまったのではないかと思って相当焦ったのだ。
しかも普通に壊したとか変になったとかなら直ぐにでも父に報告したのだが、内容がお色気ムンムンなサイトが表示されるようになったなんて…しかも勝手にメールボックスを開いて変なメールを開いたなんてとても言えるわけなかった。

この場を借りて謝りたい。ごめんね、お父さん。

あれは一体どういう仕組みだったんだろう?何かしらブラウザに作用する仕組みだったのだろうか?あんな露骨な迷惑メール、最近は見なくなったなぁとしみじみ思うのであった。

 

良い子のみんな、子どもが思ってる程大人は純粋じゃないから、こう言うことがあったら正直にすぐ言うんだよ☆

ま、言えるはずもないし、親は何かと気づいているのだろうな…と大人になって思うサメコでした。