シエスタを貪る

戯言垂れ流し放題

実家でしか犬を飼った事のない人間がシベリアンハスキーを飼う話⑴

実家で飼ってた犬は柴犬で、小さい頃から犬が飼いたくて、飼いたくて飼いたくて事あるごとに強請り、『犬を飼ったら』といつお約束ごとまで妹と掲げ、ついに迎えたのがこの柴犬タロー。

だったのだが…

 

まぁ、子どもの言う事なんてアテにならず。結局まともに世話もせず…

犬を飼いたいというよりも、犬を散歩させたかった。犬の散歩といえばリードをつけてとてとて隣を歩く様がなんとも言えない感じ…相棒、パートナー、友達、家族…

でもそこに至るのは簡単ではない。

結局タローはおじいちゃんになるまで散歩はずーっと引っ張りっぱなし。母が頑張って躾をしてくれてたようですが、母も母で犬だけでは無く娘2人に父のお世話+パートと忙しくしておりました故、なかなか難しかったようで(しかも途中で体調を崩してしまい、タローの散歩は自由奔放にさせる父が…お前ら姉妹は何やっとんねんと今にして思う)

 

そんな私が懲りずに犬を飼いたいと思ってしまうのでした(迷惑)

娘を妊娠して、中古ですが庭付きの一軒家に引っ越しました。将来は犬も飼ってさ〜なんて夫と和気藹々な将来設計図を抱いていた。

満場一致(と言っても2人)で、

 

『飼うならシベリアンハスキー!!かっこいい!!』

 

と夢を描くのでした。

娘が生まれてからは本当に娘中心の生活。

大人の生活なんて二の次。全ては娘。娘娘娘…

そんな娘も段々と自己主張が強くなり、娘中心の生活はもはや中心というより王様…

 

そんな中、私の精神が軽く壊れた。

ヒステリックに叫んで娘を怒る日が増えた。

なんか疲れるダルい起きれないって日が増えた。

全てが嫌になって投げ出したい。一人で生きていきたい。もう嫌だ…とお風呂場で泣く日が増えた。

勿論娘の事は可愛かったし、夫は出来る限りサポートしてくれた。

それでも…それでも…育児ノイローゼみたいになってた。虐待する親の気持ちが分かった。子どもを置いて出て行ってしまう親の気持ちが分かった。

多分軽い方なのかもしれないけど、あの頃の私はヒステリックに怒鳴る自分も誰かにイライラする自分も大嫌いだった。

 

そんな中、何かに癒されたいと思ってしまった。

何か他に夢中になれるものが欲しかった。

無責任極まりない。

犬が欲しいと思ってしまった。

 

いつか犬を…と思った時から、シベリアンハスキーの里親とかブリーダーさんとか気紛れに検索していたんだけど、それが今回何というタイミングで県内でハスキーが生まれたというブリーダーさんのブログを見つけた。

 

ワクワクしながら夫に相談した。

コロナで自分はテレワークが主だし、夫は今のところ自営業で家にいる。

何とかなるのでは…?

と…一番やってはいけない思い付きだ。

 

夫は当時の私の事をこう言っていた。

落ちようが本当に酷かった。

犬を飼いたい。犬を見つけたと言った時、今までにないくらい元気に見えた。

無謀だろ…と思いながらも、自分も犬はいつか飼いたいと思ってたし、それで元気が出るなら…と思ってブリーダーさんに連絡してくれたのだった。

 

結局、飼いたかったシルバーの女の子はとうに先約が入っていた。欲しい毛色で欲しい性別の子がいないなら仕方ない。諦めようか…という話になった。また生まれたら連絡すれば良い。そう、こんな思いつきで飼ったらいけない。

 

そして私はまた落ち込む日々に戻ってしまったのだった。

 

初盆でバタバタしてなんだかんだ一週間が過ぎ、夏季休暇も終わり、また日常に戻ってきた。

ふと、やっぱりもう一度連絡してみようか…男の子でも良いのではないか…

 

夫に相談して、そしたら『良いんじゃ無い?』と言ってくれた。電話してみると最後の2頭で当日見学が入ってるとのこと。残ってる2頭はシルバーとチョコカラーの男の子だった。

見学が終わったら結果を連絡くれるとの事だったので、ドキドキしながら待機。

 

その夜、電話が来て残ったのはチョコカラーの男の子と聞かされた。

 

ハスキー=ブラックホワイトかシルバーなイメージだったので、あまりピンと来なかったけど見学に行く事にした。子犬を見て触るだけでも癒しになるかも。どうするかはその時のインスピレーションで決めよう。

 

見に行った。即決で決めて帰って来た…(笑)

ブリーダーさん宅で初対面

 

なんかもう飼うという選択肢以外もともと無かったんだと思う。やりたい!欲しい!と思ったらなかなか諦めきれない性格だ。

最後の子犬…と言うのも私の中の何かをくすぐってしまった。この出会いは運命…?

 

それからは水を得た魚のように、犬を飼う準備に没頭するのだった。

 

ただ、やはり不安はあった。 

大丈夫かな…と。手が掛かる子どもに大型犬の子犬。毎日の散歩…大丈夫かなぁ…と思いながら、ワクワクの方が優っていた。