シエスタを貪る

戯言垂れ流し放題

実家でしか犬を飼った事のない人間がシベリアンハスキーを飼う話⑵

さて、色々不安もありながら迎えた犬。

不安すぎて…何より娘との関係が不安すぎて迎えるまでしつこく娘に『ワンワンすき?ワンワン可愛いね』と言っていた(娘は特に興味なさそうだった)

 

初めての犬に娘は触りたい抱っこしたいとせがんだ。さすがに抱っこさせるには子犬といえども大き過ぎる…ので、撫で撫でさせてあげた。

車の中では抱っこしてあげてたけど、寂しくてギャンギャン鳴いていた。

暫くすると落ち着いたらしく、私の横で寝てしまった。

その時も、可愛いと不安が入り混じっていた。

 

家に着いて家の中に放すと早速粗相…

それを片付けてる間、娘はピーピー…賑やかすぎるドタバタな毎日が始まった。

わんこの名前は『サン』になった。夫が名付け親だ。

 

んで、単刀直入に言うとめちゃめちゃ大変だった。ほんとぉおおおおおおに大変だった…

小さいお子さんがいる人は子犬を飼う事をおすすめしません…(犬を飼って世話に慣れてる人等は別)

多分子どもが大きくなってからか、先に犬を飼って犬が大人になってからが良いかも…?

 

うちの場合…

まず、娘がサンを怖がった。サンに飛び付かれて尻餅をついたから怖い怖い言うようになってしまった…なのでせっかく歩き始めて半年くらいだったけど、サンがフリーの時は抱っこかソファーの上に避難してた。ただ、サンがケージに入ってる時は強気で近付いていたから、本気で犬が嫌いになったわけじゃなかったようだった。出来るだけ徹底して娘には近づかないようにした。嫌いになっても困るし、逆にサンが娘に何かしてしまったらと思うと…

次に…夜鳴き。これは経験済みだったけど、娘が生まれた頃を思い出す感じだった…あとサンはケージでトイレをしたくない性格らしく、トイレの為に3時間おきくらいに出して、褒めて、遊んで、またケージで寝かせるを繰り返した。最初の3日くらいは夫がリビングに布団を敷いてケージの横で寝てあげてた。寝るまでも不安なようだったので、寝付くまでそばで見てた。そのうち交代で起きてトイレと遊び相手をしてた。寝かしつけを私がして、夜中夫が起きてリビングで寝て、早朝私が起きて交代。

朝めちゃめちゃ運動させなければいけない理由があった。

娘の保育園があるので、朝は準備をしなきゃいけなかった。私の出社の日は更にバタバタだ。

私が欲しいと言った手前、出社の日は出来るだけ夫の負担にならないように頑張った。(つもり)

娘が起きてくる頃にはケージで寝ててもらえるようにした…が、いつもちょうど保育園に送る頃に起きるらしく…私が出社でいない時は夫が保育園に送って帰ったら、うんちまみれで鳴き叫んでいて、途方にくれたらしい…これが夕方迎えに行く時も同じ事が起こるのだから夫はちょっと参ってた…

 

シベリアンハスキーがいくら子どもとは相性が良いとしても、それは大人のハスキーの事。

ハスキーだって子どものうちは子どもだ。

もう当時は娘にもサンにも申し訳なくて、本当に毎日泣いてた。ほぼ育児ノイローゼ

娘は自由奔放に遊んでた場所を奪ってしまった。サンはきっともっとサンだけに構ってくれる家庭があったかもしれないと思うと、うちに連れて来て本当にごめんという気持ちだった。

もっと幸せにしてもらえたかもしれないのに。もっともっとサンだけを可愛がってもらえる家庭に行った方が絶対幸せだったのに。

そんな事ばかり考えていた。

『いざとなったら里親…』

ふと頭をよぎった。でもそれはあまりにも無責任だと思った。だけどこのままだと私がダメになるかもしれない。サンはまだ絆がしっかりしてない今、小さいうちにどこか別のお家に行った方が良いかも。このくらいの月齢だと需要もきっとある。

私はまた元の生活に戻る…

 

それで良いのか…?サンをどこかに里子に出した事をきっと永遠に心のどこかで思い悩むだろうな…とも思いつつ、これは本当に最終手段だ。と思って生活した。

 

この頃の夫は本当に助けてくれて、娘をよく休みの日に連れ出してくれてた。

 

娘の事でサンを叱るのも、サンの事で娘を叱るのも辛かった。とても疲れた。

双方に反抗されて悲しかった。

でもそれは私がヒステリックになればなるほど、露骨だった。それはサンに気付かされた。

 

子育ても子犬育ても一緒なんだ。と…感情のままにぶつけても、それは攻撃でしかないんだと。

 

でも気付けても実行するのはなかなか難しい。頭では分かっていても気持ちが付いていかない…そんな風に必死に過ごしてた。

 

子どもも犬も成長する。

犬の成長のスピードは人間を遥かに越えていた。

気持ちよさそうに寝るサン

サンはとても賢かった。

それが何よりの救いだった。