シエスタを貪る

戯言垂れ流し放題

インターネットが特別な物ではなくなった時代

今から10年以上前はまだまだiモード全盛期で、ガラケーでパケホでネットが使えると言っても、まだまだPCサイトが主流だったと思う。

ガラケーでやることと言えば、友達からのメールの返事をひたすら待つ。
携帯が震えれば即開いてポチポチ返事を打っていた。

外出から帰るとパソコンの電源を入れて、何か目新しい事は無いかとか、お気に入りの管理人さんが運営するHPが更新されて無いかとか、そこにはネットの世界が存在していて現実世界とはまた分離されていたと思う。

それが今はインターネットなんて特別でもなんでもなくて、誰でもスマホを持っていて、その世界はリアリティーと密接に繋がった世界になってしまった。

勿論悪いことばかりでは無いし、便利な世界になったとは思うけれども、当時のあのネットの世界にはもう帰れないかと思うと寂しいばかりである。
検索をすれば何でも出てくる。素人や素人らしからぬ玄人が趣味の範囲で公開していたブログやHPではなく、お金をかけたHPやブログはわんさかトップに表示される。

独り言の為に使っていたツールは、いつの間にかフォローしていない人の投稿ばかりおすすめで目について、どこでもかしこでも自分には関係のない喧嘩を嫌でも目撃せねばならない。

おしゃれな写真を投稿していたツールは、今や消費を促す投稿が多く目につく(だいたい写真を投稿する用なのになんで文章を画像化してるのか意味がわからない)

検索をかけても、それが本当なのかわからない。だいたい個人でおすすめのダイニングテーブルやらソファーやらそんな沢山買い替えてるわけないだろ!!私のおすすめって何個あんねん!!使ってから言えーーーー!!

と思ったり。

知りたいことを知る、知らないことを知る世界に「知らなくてもいいことまで知る」が加わった。それも自ら望んでではなく、全てアルゴリズムによって。

最初は知らないことが沢山おすすめされて「へー!!すごーい!!そんなのもあるんだー!」と思った頃もあった。それが今や「それ本当か?根拠は?実績は?作り話じゃないの?ちゃんと保証されてる?」と疑ってかかるようになった。

様々なコメントに一喜一憂し、憤慨し、自分とは全く関係のない場所で関係のない出来事に労力を使っている。

そんな世界が少し疲れて来てしまった。

勿論、そんな世界に柔軟に対応出来ている人もいるだろうし、私が対応出来なくなって来ているのかもしれない(歳もとるわけだし)

そんなノスタルジックな気持ちになると、先人達の「あの時代は良かった」という常套句を今度は私が口にする番が来たのかもしれないとも思う。